Introduction
電子メールの簡単な送受信のしくみと、その際に使用されるプロトコルの説明です。POP、IMAP、SMTPの違いについて解説します。
電子メールを送信した際は、相手に直接届くのではなく途中でメールサーバを経由することになります。
電子メールにおける知識で覚えておきたいのは4つ。
- メール送受信の仕組み
- 使われるプロトコルの種類
- CCとBCCの違い
- 暗号化の手法
少し多いですが、ここまで学習すれば安心です。
この場所では、1と2について説明します。
初めて聞く言葉が多いと思うけど丸暗記が必要だよ
電子メールの仕組み
最初に電子メールの仕組みをお話しします。
電子メールの送受信はインターネット上のメールサーバが連携することにより行われています。
下の画像をご覧ください。この画像を元に説明していきます。
「Aさん」「Bさん」「Cさん」が「Dさん」へ向けてメールを送信した時のメールの動きをあらわしたものです。
① 「Aさん」たちはメールを書いて「Dさんへ」送信します
② 送信されたメールは「Aさん」たちが契約しているメールサーバへ送られます
③ 受け取ったメールサーバは、DNSサーバへ届け先のメールサーバのIPアドレスを問い合わせます
④ 割り出されたIPアドレスで「Dさん」が契約しているメールサーバへメールが届けられます
⑤ 「Dさん」がメール受信操作をすることで、そのメールサーバから「Dさん」へメールが送信されます。
どうでしょうか。
ボタンを押せば簡単に相手に届く電子メールですが、それほど単純なわけではなさそうですね。
ここでは「IPアドレス」と「DNSサーバ」の2つの言葉の意味を覚えていないと内容が理解できないと思います。
一言で説明すると「IPアドレス」はコンピュータが理解できるインターネットの住所、「DNSサーバ」はドメイン名をIPアドレスに変換するサーバのことです。
それぞれ詳しい説明が必要な方は、下のリンク先をご覧ください。
では、次に電子メールで使用されるプロトコルの種類を覚えましょう。
電子メールで使用されるプロトコル
では、電子メールで使用されるプロトコル(ネットワーク利用時の共通の取り決め)について説明します。
プロトコルの言葉の意味について不安な方はこちらからどうぞ。
Simple Mail transfer Protocol
電子メールを送信するためのプロトコル
Post Office Protocol
電子メールを受信するためのプロトコル
メッセージをサーバ上からダウンロードする(メールサーバから削除される)
Internet Message Access Protocol
電子メールを受信するためのプロトコル
メッセージをサーバ上に残したままにする
この3つのプロトコルの名称と役割を覚えれば終了です。
押さえるべきポイントの一つ目は、それぞれのプロトコルが送信と受信どちらに使用されるかということ。
- メールの送信・・・SMTP
- メールの受信・・・POP、IMAP
もう一つのポイントは、受信で使用されるPOPとIMAPの違いを理解すること。
- POP・・・受信後のメールはダウンロードされ、メールサーバから削除される
- IMAP・・・受信後のメールはメールサーバに残る
では、それぞれのポイントをみていきます。
プロトコルが送信と受信どちらで使用されるかを先ほどの画像でみてみましょう。赤字の部分です。
送信時は「SMTP」、受信時は「POP」か「IMAP」を使用します。
※「POP」「IMAP」のどちらのプロトコルを使用するかは、受信者がメールソフトの設定で指定することができます。
次に「POP」と「IMAP」の違いです。
まずは「POP」。昔から使用されている電子メール受信のプロトコルです。
特徴は、下のようになります。
そのため良い点と悪い点は以下のようになります。
良い点
- メールサーバからメールは削除されるのでメールサーバの容量を圧迫しない
- コンピュータへダウンロードするので一度受信したメールはネット接続しなくても閲覧できる
- コンピュータへダウンロードするので検索や並べ替えなどの処理スピードが速い
悪い点
- メールサーバから削除されるので、複数の端末(パソコン、スマホ、タブレットなど)でメールを見ることができない
次に「IMAP」の特徴ですが、下のようになります。
良い点と悪い点は以下のようになります。
良い点
- メールサーバに残したままなので他の端末(コンピュータ)からでもメールがいつでも読める
- メールサーバにメールがあるので端末が壊れてもメールに影響はない
悪い点
- メールを見るにはネット接続が必要
- メールが削除されないので、メールサーバが圧迫される
特徴に関してはメールを「メールサーバ」に残すか削除するかによって結果がどう変わるかを想像すると覚えやすいですね。
受信時のプロトコルで「POP」「IMAP」どちらが人気あるかというと、最近はIMAPでしょう。
悪い点を差し引いても、様々な端末からメールを見に行けるのは便利です。
パソコンだけではなく、外出先からスマホやタブレットで同じメールや過去のメールを見たい時も安心です。
常にメールサーバにメールがある利点は大きいですね。
注意事項としては、メールが一定の容量を超えた場合は自動的に古いものから削除されることです。
定期的に自分のPCにダウンロードしておくなどの管理が必要になります。
最後に、電子メールに関連した言葉としては「Webメール」も覚えておきましょう。
メールアプリを使用せずに、インターネット閲覧用のブラウザで使用するメールです。
ここで説明したプロトコルなどの面倒な設定も必要なく、インターネットに接続できればIDパスワードの設定だけで使用できるものがほとんどです。
Webメールの有名なものとしては「Gmail」や「Yahoo!メール」があります。
電子メールプロトコルの覚え方
「SMTP」「POP」「IMAP」
初めてこの3つの言葉を見た人は「覚えにくいなー」と思ったのではないでしょうか。
繰り返し耳にすると覚えてしまうのですが、普段あまり聞くことが無い言葉です。
一般的にはパソコンのメール設定で使用するぐらいなので、知らなくてもそれほど困らないかも。
ということで、とりあえず覚えておくための暗記方法です。
スマートなポップスターから今きたよ
スマートなポップスターからメールが今届いたのです!
強引ですが参考にしてください。
無理があるような・・・
押さえておきたいキーワード
- SMTP
- POP
- IMAP
- メールサーバ
- webメール
POPとIMAPの違いは重要だよ
練習問題
◎ 各問題をクリック(タップ)すると答えが出てくるよ
メッセージが自動削除されないのでサーバ容量が圧迫される → 定期的に自分でバックアップを取るのがおすすめ
IMAPが主流になっていくね