Introduction
ネットワークの分散処理システムの一つ、クライアントサーバシステムの説明です。
ここで説明するクライアントサーバシステムが、現在のネットワークシステムの主流になっています。具体的にどんな場所で使われてるのでしょうか。
インターネットもクライアントサーバシステムだよ
クライアントサーバシステムとは
クライアントサーバシステムとは、サービスを提供する側(サーバ)とサービスを受け取る側(クライアント)で構成されたシステムです。
ネットワークでサーバとクライアントを繋ぎ、処理を分担させます。
例えのイメージとしては、親と子供を想像してみましょう。
サーバが親、クライアントが子供。
たくさんの子供が「あれやって、これやって」とたくさんの要求をしてきます。
その要求に対して親が「よし分かった!」と要求に対する処理をどんどんこなしていく感じ。
実際に使用されているシステムでは、クライアントが皆さんのことです。
インターネット上の何らかのサービスを使用していたとします。
スマートフォンで画面をタップしたり、PCでマウスを操作してボタンを押したり。様々な要求をしますね。
その要求をする皆さんがクライアントで、その要求に応えるのが様々なサーバです。
もっと具体的にいきましょう。
皆さんが普段使っているインターネットはクライアントサーバシステムが使用されています。
クライアントである皆さんは、ホームページを見る時は、スマホをタップしたり、PCモニターで表示している画面のリンク先をマウスでクリックしてページを移動していきますね。
タップしたりクリックしたりして要求をしている皆さんがクライアント。
その要求に応じてWebサーバに保管されていたホームページが皆さんの画面に表示されています。
クライアントの要求をWebサーバが提供してくれたということですね。
もう一つ例をいきましょう。
「印刷したいなー」
皆さんは文書作成ソフトの印刷ボタンをクリックします。
要求した皆さんはクライアントになります。
印刷ボタンを押した要求に対して「プリントサーバ」がそれに応えて印刷機が動きます。
※プリントサーバはプリンタに内蔵されています。
2つの例をお話しましたが、「Webサーバ」と「プリントサーバ」が登場しました。「サーバ」というのはクライアントの要求に応じて複数の種類があるということが想像できますね。
ちなみに、スマホやカードをかざすと「ピッ!」と反応するカードリーダーなんかもクライアントになりますよ。
クライアントサーバの使用例
クライアントサーバシステムで使用されるサーバは、一般的に提供するサービスの種類によって分けられます。
そのサービス内容に応じて〇〇サーバと呼ばれます。
どのような種類があるのでしょうか。ここで有名なものを紹介します。
ファイルサーバ
ファイルへのアクセス制御やバックアップにも利用される。
皆さんの学校でも必ず使用しているはずです。
学校に「サーバ室」という部屋がありませんか?
きっと常に鍵がかかっていて厳重に管理されているはずです。
このファイルサーバに皆さんが学校で保存しているデータが格納されています。さらには、先生方が処理するデータや皆さんの成績データなんかもこの中に・・・。
もしファイルサーバが壊れたら大変な事態に陥ります。そのため常時バックアップを取り、簡単に触ることができない場所に置いてあるはずです。
「サーバ室」が用意されていない場合は、職員室の奥の部屋や事務室の奥の方に置いてあるかもしれませんよ。
プリントサーバ
印刷命令を一時保存する
PC室や職員室にある大きなプリンターを想像してください。
大勢のクライアント(皆さんや先生)からの印刷命令をプリントサーバーが処理してくれています。
Webサーバ
皆さんが普段見ているデータは世界中どこかのWebサーバに保存されています。
その保存されている画像や動画が皆さんのタブレットやPCに送信され表示されています。
DNSサーバ
インターネット接続先の住所は、コンピュータはIPアドレスという数字の羅列で把握しています。
「https://prau-ict.com」のようなURLは、そのままではコンピュータには理解できないということ。
人間が使用している「URL」をコンピュータが理解できる「IPアドレス」へ変換するためのサーバをDNSサーバといいます。
少し難しい話なので別のページで詳しく説明します。
メールサーバ
若い世代はSNSやLINEなどのツールがメイン使用になっていますね。もしかしたら電子メールを使用した事が無い方もいるのでは。
社会に出ると電子メールの利用が増えるはずです。
その電子メールは送ったメッセージが直接相手に届くわけではありません。
送り主が送った電子メールはいったんメールサーバに保存されます。
その保存された電子メールを受信者が受け取りに行くというシステムになっています。
データベースサーバ
データ保存に特化したサーバです。
大きな企業などでは、毎日大量のデータを処理する必要があります。
商品の受注や発送、顧客データの管理などなど・・・。
学校や小規模の会社ではそこまで多くのデータを扱う事はないのでデータベースサーバを用意することはないでしょう。
データベースサーバが必要になるということは、相当大規模なデータを扱っている企業(団体)ということになります。
アプリケーションサーバ
スマートフォンにインストールせずに、毎回ネットに接続して使用しているアプリはありませんか?
例えば学校からのお知らせを見る事ができるアプリや、会社での打ち合わせに使うアプリ。
そのアプリを保存動作させているのがアプリケーションサーバです。
アプリケーションサーバで動作するアプリはブラウザ(インターネットを閲覧するソフト)で利用するものがほとんどです。
プロクシサーバ
「代理サーバ」ともよばれます。
同じWebページを何度も利用するときは、プロキシサーバに残るコピーを使用することで表示速度が速くなります。
認証サーバ
IDパスワードなどの認証により本人確認をしてサービスの利用を許可してくれます。
試験で出題されそうなサーバを一覧で紹介しました。
「サーバ」の特徴としては全て「何かを提供する側」になっているということ。
「〇〇サーバ」という言葉を見たら「〇〇を提供するコンピュータ」と置き換えて考えましょう。
テストで出題されるときのキーワード
- クライアントサーバシステム
- 「要求する側」と「提供する側」に分ける
- Webサーバ
- DNSサーバ
- メールサーバ
- ファイルサーバ
- プリントサーバ
- データベースサーバ
- アプリケーションサーバ
- プロクシサーバ
- 認証サーバ
依頼される内容に応じて様々なサーバが使われているんだね
練習問題
◎ 各問題をクリック(タップ)すると答えが出てくるよ
「要求する側」と「提供する側」という言葉がキーワードみたいだね
ジュースを注ぐ機械もサーバってよぶね